健康診断をうける意味

健康診断には下記の2つの目的があります。

一次予防:食事・運動・睡眠習慣等を整え、病気の予防を目指す。

健康診断で、不適切な生活習慣の影響が体に現れていないかを調べます。

もし影響が出ていたら、よりよい生活習慣を身に着け、病気の悪化を防ぐよう努めるためのきっかけとなります。

二次予防:病気を早期に発見し、早期治療につなげる。

早期発見・治療により、体や時間・費用などの負担の軽減をはかれます。症状の無い病気を早期に発見するには、無症状のうちから定期的な健康診断を受けることが大切です。

自分の健康状態を知るために、年に1度は健康診断を受けましょう。

何か調子が悪いという自覚症状がある場合は、健康診断を待たず、医療機関へ受診してください。

健康診断結果を活用しよう

健康診断は、受診後の事後措置が重要です。

検査結果は、これまでの生活習慣の結果を示すものです。

結果を受けとめ、食生活や運動習慣、休養、喫煙など、生活習慣の改善目標を立て、実行しましょう。

要精密検査、要受診と判断された場合は、健康診断結果を放置せずに、医療機関へ受診してください。

事業所の健診ご担当の方へ

事業者は、健康診断の結果、異常所見があると診断された労働者については、医師の意見を十分に聴取したうえで、必要に応じて措置を講ずる必要があります。

従業員に健康で働き続けてもらうことは、業務効率の向上や活気ある職場作りにつながります。

メタボリックシンドロームにご用心

40歳以上の人は、日本人の死亡原因の約6割を占める生活習慣病の予防のために、国が定めた内臓脂肪型肥満に着目した「特定健康診査」を受診します。

メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積によって、血圧・血糖・脂質の異常が起こっている状態を言います。一つひとつのリスクが軽度でも、重なり合うことで動脈硬化が急激に進み、心筋梗塞や脳卒中の発症率を高めます。

特定健康診査の結果、生活習慣病のリスクが見つかった人を対象にした、専門スタッフ(保健師、管理栄養士)による生活習慣改善サポート「特定保健指導」を実施しています。 案内が届いた方は必ず受けて、脱メタボを目指しましょう。

健診結果(総合判定)の見方

 判定指示
A異常なし今回の検査の範囲内で、大きな異常を疑わせる所見はありませんでした。
B有所見健康やや基準範囲を超えていますが、現段階では日常生活に支障はありません。
C経過観察年1回は検査を受け、経過を観察してください。気になる症状がある場合は医師に相談してください。
C66カ月後再検査日常生活に注意し、約6カ月後に再検査を受けてください。気になる症状がある場合は早めに医師に相談してください。
C33カ月後再検査日常生活に注意し、約3カ月後に再検査を受けてください。気になる症状がある場合は早めに医師に相談してください。
D再検査医療機関で再検査を受けてください。
E要精密検査精密検査が必要です。可能な限り早く、必ず医療機関を受診してください。
F要受診治療が必要です。必ず医療機関を受診してください。
G要治療継続現在の治療中の疾患については、主治医の指示に従ってください。
基準値は柔軟性をもって考えましょう

同じ検査項目でも、検査方法や検査機関によって基準値が異なります。さらに検査値は、食事との関係、季節、その日のコンディションなどによっても違ってきますので、あくまで参考にとどめましょう。

再検査の受け方

再検査が必要となった際は、下記を参考に医療機関を受診してください。かかりつけがある方は、そちらで相談してください。

念のため事前に、受診が可能か電話で確認すると安心です。 下記の診療科の受診をお勧めします。

視力、眼圧、眼底眼科
聴力耳鼻いんこう科
血圧内科、循環器内科
尿検査内科、腎臓内科
便検査便潜血… 消化器内科
血液検査総ビリルビン、LDH … 内科
AST(GOT)… 内科、消化器内科
ALT(GPT)… 内科、消化器内科
γ-GTP … 内科、消化器内科
肝炎… 内科、消化器内科
血清アミラーゼ… 内科、消化器内科
血糖、HbA1c… 内科、糖尿病内科
HDLコレステロール … 内科、消化器内科
LDLコレステロール … 内科、消化器内科
中性脂肪… 内科、消化器内科
尿酸… 内科、腎臓内科
クレアチニン… 内科、腎臓内科
甲状腺… 内科
赤血球、血色素量、ヘマトクリット … 内科、血液内科
血小板、白血球 … 内科
その他の検査胸部X線検査 … 内科、呼吸器内科
胃部X線検査、胃部内視鏡検査 … 内科、胃腸内科
乳房検査(マンモグラフィ、乳腺超音波)… 乳腺外科
腹部超音波検査… 消化器内科、腎臓内科、泌尿器科
心電図検査…内科、循環器内科
肺機能検査、喀痰細胞診… 内科、呼吸器内科
子宮がん検査… 婦人科

生活習慣改善のアドバイス

運動

  • +10(プラステン)
    今より10分多く体を動かす。家事を積極的にする、階段を使う、電車やバスの中では立つ、遠い場所へ車を駐車し歩くなど
  • 脂肪を燃焼する「有酸素運動」と、太りにくい体をつくる「筋力トレーニング」を組み合わせる。
    有酸素運動:ウォーキングやサイクリングなど、長時間続けられる運動。
    筋力トレーニング:歯磨きしながらスクワットや、テレビコマーシャルの間に腹筋運動など、自宅でも可能。

食事

  • 1日3食、主食(ごはん、パン、麺類)、主菜(肉・魚・卵・大豆製品などのおかず)、副菜(野菜、いも、海藻、きのこなどのおかず)を揃え、腹八分目にする。
  • 果物、牛乳・乳製品を取り入れる。
  • 食べ過ぎを防ぐために、ゆっくりよく噛んで食べる。
  • 野菜、海藻、きのこを、今よりもう1皿/日追加する。
  • お酒は適量を守り、週1日は休肝日を作る。

喫煙

  • 禁煙開始日を決め、周りに宣言し、灰皿やライターを捨てる。
  • 薬局で購入できる禁煙補助薬を使う。
  • 難しい場合は、医療機関の禁煙外来で相談する。
  • 吸いたくなったら歯を磨く、ガムを噛む、冷たい水や熱いお茶を飲んで紛らわせる。

休養

  • 好きな音楽を聴いたり、自分の趣味に時間を使うなど、自分なりのリラックス法を見つける。
  • できるだけ毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる。
  • 起床後、朝日を浴びて、体内時計をリセットする。

お問い合わせ

ご意⾒・ご質問などお気軽にお問い合わせください。
お急ぎの⽅は、お電話にてお願いします。